「ライフシフトと私」― 100年時代を生きる、もう一つのキャリアのかたち #1

第1回:キャリア戦略のバイブルに出会った日

2016年3月、ふと立ち寄った書店で、1冊の本が目に留まりました。
白地にシンプルな装丁、タイトルは『ライフシフト』――100年時代の人生戦略。第3刷とあるその本を、私はなんとなく手に取りました。

あのとき57歳。役職定年を終え、肩書きのない日々が始まったばかりでした。
責任という荷物は降ろし、気持ちは少し軽くなっていたものの、心のどこかにぽっかりと空いた穴のようなものがありました。定年後、私はどこへ向かえばいいのだろう? この先の人生をどう描けばいいのか――漠然とした不安が胸の奥に居座っていました。

そんな私の心に、『ライフシフト』は静かに、けれど確かに火を灯しました。

ページをめくるごとに、「これだ」と思える言葉に出会い、自分の中で何かが変わっていくのを感じました。人生は、いまや100年時代。50代後半は終わりではなく、新しい章の始まりなのだと。その日を境に、私は資格取得という挑戦を決意しました。決して若くはない年齢での自己投資でしたが、振り返ってみれば、あれが私の転機だったと心から思えます。

あの本に出会わなければ、今の私はいなかったかもしれません。
好奇心を手放さず、行動に移す勇気を持ち続けること。チャンスをつかむためには、自分自身を信じること。そして、学び続ける姿勢。それらが、私の新しい人生の軸となりました。

このブログでは、『ライフシフト』を再び読み返しながら、あの頃の気づきを振り返り、今の私が感じること、考えることを少しずつ綴っていこうと思います。
もし、どこかで同じような不安や迷いを抱えている方がいらしたら、この文章がほんの少しでも背中を押すきっかけになれば、これ以上の喜びはありません。

このエッセイは8回に分けてお伝えしたいと思っています。
最後までお付き合いいただき、ご意見、ご感想いただけると幸いです。

第1回:キャリア戦略のバイブルに出会った日
― 出会いと意識の転換

第2回:50代からの不安、そして再出発
― 定年後の空白と向き合い、自分を問い直す時間

第3回:「無形資産」の本当の価値とは
― お金だけじゃない、人生を豊かにする“見えない資産”

第4回:学び直しは「若さ」への投資だった
― 資格取得に挑んだ理由と、その後の変化

第5回:「変身資産」を育てるということ
― 新しい自分に変わる勇気と、継続する力

第6回:人とのつながりが、人生を伸ばす
― ソーシャル・キャピタルの重要性を実感した瞬間

第7回:仕事の再定義 ― 生きがいと収入のバランス
― セカンドキャリアをどう設計するか

第8回:人生100年時代に必要な“心の武装”
― 変化に動じない「柔軟なマインドセット」の育て方

第2回では、『ライフシフト』を読んで感じた “50代からの不安、そして再出発について、お話しします。

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