「ライフシフトと私」― 100年時代を生きる、もう一つのキャリアのかたち #3

3回「無形資産」の本当の価値とは

― お金だけじゃない、人生を豊かにする“見えない資産”

『ライフシフト』を読んで、私の価値観が大きく揺さぶられたキーワードのひとつが、「無形資産」でした。

資産という言葉を聞けば、まず思い浮かぶのは預金や不動産、年金といった“お金”にまつわるものかもしれません。
私もかつては、老後に向けていくら貯めておくべきか、何歳まで働けるのか、そんな計算ばかりをしていました。

けれど、『ライフシフト』が教えてくれたのは、これからの人生を生き抜くうえで本当に大切なのは、「無形資産」――
つまり、目に見えないけれど、自分の人生の質を左右する“見えない力”だということでした。

たとえば、スキルや知識。それは、年齢を重ねても価値を失わない、むしろ深まる資産です。私は資格試験への挑戦を通じて、自分がまだ「学べる存在」であることを実感しました。

次に、人的ネットワーク。会社という枠を越えて築く関係性は、自分の世界を広げ、新たなチャンスを運んできます。あのとき何気なく出席した勉強会で出会った人が、後に新たな活動のきっかけをくれたこともありました。

そして忘れてはならないのが、健康です。いくら時間とお金があっても、健康を損ねていては何も始まりません。定年を機に少しずつ運動を習慣にしたことも、私にとっては大きな“無形資産”への投資でした。

こうした無形資産は、若いうちから意識して積み上げていくべきだとよく言われます。でも、私は思うのです。50代、60代からでも、遅すぎることは決してないと。

むしろ、その価値に気づいた今だからこそ、より本気で育てようという気持ちになれるのだと。

お金は減る。でも、無形資産は増やせる。
それは、これからを生きる私たちにとって、心強い事実ではないでしょうか。

次回予告:
第4回では、「学び直し」が私にもたらした変化と、それが思わぬ“若さ”を運んできてくれたというお話を綴ります。

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