「ライフシフトと私」― 100年時代を生きる、もう一つのキャリアのかたち #7

第7回:仕事の再定義 働くことをもう一度考えてみる


セカンドキャリアをどう設計するか 

サラリーマン時代、定年が近づくと周囲からは「いかに雇用保険を多くもらうか」「1年はのんびり旅行したい」といった声が聞こえてきました 。もちろんその選択も尊重しますが、私は「1年も休んだら、もう仕事をしたくなくなるのではないか?」という強い違和感を抱いていました 。私が目指したのは、細く長く、自分でコントロールする働き方への「シフト」だったのです 。

1. 「ポートフォリオ・ワーカー」への転換

100年時代、仕事は「一つの会社、一つの職種」に縛られる必要はありません 。

  • 実利的な仕事: 収入を得るための基盤 。
  • 生きがいの仕事: 自分の情熱を注げるもの 。
  • 奉仕の仕事: 社会に貢献する活動 。

これらを組み合わせる「ポートフォリオ・ワーカー」という生き方です 。私にとって現役時代の「副業」は、無形資産を有形資産(収入)へ変換する絶好の訓練期間となりました 。

2. 「引退」ではなく「フェーズの移行」

50代・60代は終わりではなく、80代まで続く道のりの「中継地点」に過ぎません 。大切なのは「いつまで働くか」という期間ではなく、「何に、どう関わり続けるか」という持続可能性です 。違和感があれば再検討し、手応えがあれば続ける 。この試行錯誤こそが、セカンドキャリアの設計そのものだと考えています 。

3. 「エクスプローラー(探索者)」としての一歩

完璧な計画を求めて立ち止まるより、まずは実験的に動く「エクスプローラー」の精神が欠かせません 。私は国家資格キャリアコンサルタント取得後、すぐに講師アシスタントの公募に手を挙げました 。まさに第5回で触れた「変身資産」を使い、小さな一歩を踏み出した瞬間でした 。自分が社会で何を求められているのかを探る、貴重な探索期となりました 。

4. 数字が示す「シフト」の現実

この2年、数字としても確かな手応えが現れています 。

  • 副業時代: 年収 50万円 
  • 独立1年目: 年収 128万円 
  • 独立2年目: 年収 210万円 

特に2年目の後半は、再雇用で想定されていた収入を上回るようになりました 。会社から与えられる「給与」とは性質が違う、自分の「無形資産」が換金され始めた証拠です 。収入が増えたのは、資格が「新しいコミュニティへの入場券」となり、そこで得た「人脈」を活かして、チャンスの風が吹いた時に帆を張って動いた積み重ねの結果だと思っています 。

5. 「生きがいと収入」の本当のバランス

かつての副業は「足し算」の感覚でしたが、今は「生き方そのものが仕事(掛け算)」になっていると感じます 。セカンドキャリアの設計とは、単に「いくら稼ぐか」の計算ではありません 。

今回の数字はあくまで結果論であり、通過点です 。今後これを下回ることもあるでしょう 。しかし、プロとしての意識を持ち、目の前の仕事に誠実に対応することで、自然に数字がついてくるのだと実感しています 。「どうすれば、結果として社会から対価をいただける自分になれるか」 50代からのセカンドキャリアは、不安な老後の準備ではありません 。それは、エクスプローラーとしての試行錯誤を楽しみながら、自らの足で歩き出す「ワクワクする事業の立ち上げ」なのです 。

次回予告:
第8回 最終回では、"「柔軟なマインドセット」について"について綴ります。

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